吉野 勳よりご来場くださったみなさまへのご挨拶

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まず、2/3に「和の住まいリレーシンポジウム in 飯能」にご参加くださいました118名の皆さまに、心から御礼申し上げます。有難うございました。全国で巡演されているこのシンポジウムを、今回の飯能で開催するにあたり、第二部の対話型座談会「普段に木の家に住むには?」を、私ども「飯能型気候風土適応住宅推進協議会」で企画させていただきました。この協議会を発足した経緯について、少しご説明させていただきます。


「建築物省エネ法」の全面義務化された場合の「例外規定」として


協議会立ち上げの背景として「建築物省エネ法」が建物の規模別に、大きいものから小規模な住宅まで、段階的に義務化していくという流れがありました。「建築物省エネ法」は、建築物のエネルギー消費量を低減することを目的とする法律で、建築物が満たすべき断熱性能を表す「外皮性能」を地域ごとに数値で示し、それを遵守することを国民に求めルものです。

すでに300㎡以上の住宅においては、新築建物を計画するにあたり、確認申請時にその外皮性能を計算して届出ることが義務づけられています。小規模住宅についても、当初は2020年までには、この義務化が及ぶ予定でした。小規模住宅にまでこれが適用されると、国が一方で推進している「和の住まい」が実質的に建築できなくなることが問題視され畳め、建築物省エネ法が小規模住宅にまで適用されるようになる以前に、その例外規定として「気候風土適応住宅」という枠組みが検討されました。


「飯能型気候風土適応住宅」を
飯能市に提言


外皮性能が劣る住宅ならばなんでも「気候風土適応住宅」であるということではなく、土壁、真壁造りなど、構造的に外皮性能を満たしようがない、その土地の気候風土文化に適した伝統的な作り方をする住宅がその対象となります。このような住宅は、文化的な価値が高いのはもちろん、外皮性能は低くても、実際のエネルギー消費量は低くて済むことが、生活実態調査からも明らかになっています。

この「気候風土適応住宅」という家づくりに賛同した私たちは、この西川材の地飯能でも「気候風土適応住宅」を、今後の持続可能な地域を作っていくために積極的に推進していきたいと思うに至りました。この思いを「飯能型の気候風土適応住宅」として、飯能市に政策提言する過程で立ち上げたのが「飯能型気候風土適応住宅推進協議会」です。


「無垢の木の家づくり」の
阻害要因は「高いというイメージ」なのでは?



結論からいえば、国は、工務店の現状や省エネ計算の周知度などの状況を鑑みて、建築物省エネ法を2020年までに小規模住宅にまで義務化することは見送りました。しかし、だからと言って、我々が「気候風土適応住宅」に賛同して構想した「飯能型気候風土適応住宅」がなくなるわけではありません。

ところで、地元の西川材を多用する飯能型気候風土適応住宅を飯能市に提言する過程で、現代住宅の主流が新建材であるため「木の家は、いいと分かってはいるけれど、高い」と思われている方が多く、それがその広がりを阻害していることが分かってきました。


対話型の座談会と
くむんだーでの子供達の「職人体験」



そこで「和の住まいリレーシンポジウム in 飯能」の第二部として対話型座談会「普段に木の家に住むには?」を企画いたしました。地元の西川材で真壁の木の家を建てた方の体験談と、西川材に実際に関わる専門家の話を交え、木の家のコストパフォーマンス、無垢の木の魅力について、舞台上と観客とのやりとりもしながら「対話型」で進行する内容に構成しました。

また、8階では、木の家ネット・埼玉の皆さんがくむんだーの上演をしてくださいました。11人の子ども達とその保護者、見学者のみなさんが参加されて、京都の清水寺の舞台と同じ木組みのジャングルジムを組み立て→ 遊び→解体し「大工さん体験」をすることができました。有難うございました。


無垢材の良さを
住まい手も専門家も力説



座談会で、川上の林業や製材の仲間内では“無垢の木”という言葉がなく「木は無垢に決まっている」という発言がありました。同様に、川下の建て主も“無垢の木”は居心地がいいし、価格も納得できると言われました。多くの方が“無垢の木”が良いと感じていながらも、現代住宅が新建材で供給されるのは、何故? という不思議さに、会場のみなさんもあらためて気づかされたのではないでしょうか。

これからは脱炭素社会に向けて生産・使用・廃棄時のトータルエネルギーと環境負荷の削減が求められます。この目標を満たす上に、町並みや文化をも醸成できるような家づくりを広げていくことを、我々の使命として捉えています。これまでの、新建材の“家を買う”ことが当たり前担っている現状を見直し、“無垢の木”を使うことをこれからの住まいづくりとしていくこと、それは自然なことであり、暮らしを豊かにすることに繋がることを、をもっと知ってもらえるような実践が、これからの我々の課題と言えそうです。

今後に向けての活動を、ユックリと続けていく所存です。その折にはお声掛けさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

飯能型気候風土適応住宅推進協議会
会長 吉野 勳